20081128
3次Sallen-Keyフィルタ計算ツールの公開
Vi(s)→ | ω1 s+ω1 | → | ω22 s2+2ζω2s+ω22 | →Vo(s) |
上図のフィルタを電子回路で構成する場合,前段の1次フィルタをCRフィルタ,後段の2次フィルタをSallen-Keyフィルタ や多重帰還型フィルタなどを使って構成します.よって回路で示せば, 下図のようになります.
(参考)
上系の3次フィルタでは,バターワース・フィルタやチェビシェフ・フィルタなどを回路定数の設定により利用できるようになります. 上回路系における各計算ツールは,↓のリンクを参照してください.
設計の具体事案の参考としては次のリンクを参照してください.OP-AMPによるバターワース・フィルタの設計例 およびOP-AMPによるチェビシェフ・フィルタの設計例.
上系の3次フィルタでは,バターワース・フィルタやチェビシェフ・フィルタなどを回路定数の設定により利用できるようになります. 上回路系における各計算ツールは,↓のリンクを参照してください.
設計の具体事案の参考としては次のリンクを参照してください.OP-AMPによるバターワース・フィルタの設計例 およびOP-AMPによるチェビシェフ・フィルタの設計例.
上系では,バッファー・アンプを2個使うことになります.もしOP-AMP2個をフルに使うのであれば4次フィルタの構成も可能ですので OP-AMP2個で3次フィルタの構成は経済的なメリットはありません.そのため1次-2次間のバッファーを省いた次の回路を簡略的に利用する 場合があります.
LPF | HPF |
これらの系では,前段の1次フィルタと後段の2次フィルタ間相互にインピーダンスの影響を受けるので1次フィルタの要素をC1,R1だけ によって決めることはできません.また,2次フィルタの要素についても同様です.そういう相互の関係から各回路定数を手計算で算出す るのは一般にかなり骨が折れると思います.そこで今回,自動計算ツールを公開しました.
3次Sallen-Keyローパス・フィルタ計算ツール
3次Sallen-Keyハイパス・フィルタ計算ツール
ツールの機能は,
- 各回路定数を与えると特性をシミュレーションする機能
- 前段の1次フィルタと後段の2次フィルタを仮想的に分離して各フィルタのカットオフ周波数および後段フィルタの減衰比を与えると各回路定数を算出する機能
- バターワース・フィルタ特性に各回路定数を算出する機能
- チェビシェフ・フィルタ特性に各回路定数を算出する機能
今回今までのツールには無かったバターワースとチェビシェフの機能を追加しました.
※今回公開の(バッファー無し)3次Sallen-Keyフィルタ回路は,バッファー有り回路と比較して設定できる条件に制限があります. その条件を数式で示すことはしませんが,ツール自身が判断することになっています.定数設定ができにくい条件は,前段のインピーダンス が大きく減衰比ζが小さい条件が,この回路では,実現できにくくなります.
対策としては何のひねりもありませんが,前段のインピーダンスを低く(C1を大きく)するか,減衰比の設定を小さくして再度計算して みてください.
[記事URL] http://okawa-denshi.jp/blog/?th=2008112800
カテゴリー:フィルタ(20)
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