20081108
CR2段のフィルタ・ツールの公開
・2次CRフィルタ計算ツール
今回公開のフィルタ回路は,下記の3種です.
LPF |
HPF | BPF |
あつかいの難しいフィルタですが,OP-AMPの節約に貢献するかもしれませんので利用してみてください.今回のツールは,回路定数から 特性を計算するのみで,特性周波数等から回路定数を選定する機能はありません.
今回公開のフィルタは,1次CRフィルタを2段接続の構成をもつ2次フィルタです.これらのフィルタは各1次フィルタ間にバッファを 介さないため互いのCRフィルタ間にインピーダンスの影響を与えますので各定数の設定時には考慮する必要があります. たとえば次のようなバッファーを介すローパス・フィルタでは
伝達関数が次のようになり
2次伝達関数の一般式が次の通りなので
減衰比 ζ =1 (臨界)に設定することができます.
しかし,今回公開の下図のフィルタでは
伝達関数が次のようになり
減衰比は,一般に1より大きく
ζ > 1
となります.ζ が大きければ過減衰となり立ち上がりの遅い フィルタになります.そこで,なるべく ζ =1 (臨界)に近づけるには上の伝達関数から,1/(R2C1) をなるべく小さな値に設定すること が適当な方法です.
回路的な視点で言えば,R1,C1の系のインピーダンスを小さく,R2,C2の系のインピーダンスを大きく設定することで,相対的に バッファを介す効果(インピーダンスを0Ω)に近づくことは,直感的にも理解しやすいと思います.
[記事URL] http://okawa-denshi.jp/blog/?th=2008110800
カテゴリー:フィルタ(20)
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