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20080415

正帰還型(A>1)アクティブ・フィルタ・ツールの公開

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正帰還型VCVS(A>1)アクティブ・フィルタ計算ツールを公開しました.

これまでも正帰還型アクティブ・フィルタを公開しておりました.これまでのツールは,ゲイン1倍(A=1)の設定のみのでしたが, 今回公開を始めたフィルタ(下図の系)は,ゲイン1倍を越える設定が可能です.

このこのフィルタのゲインは,R3,R4によって設定できます.このツールでは,直接ゲインを指定でき,抵抗のE系列条件の組み合わせの中から最適なR3,R4を算出・選定します.

このフィルタの伝達関数(LPF)は,次式の通りです.
 
この式中のG がR3,R4によるゲインです.分母のs1項に-Gがあるため,このGによってゲインの設定だけでなく,Qの調整も可能です. このGによるQ 調整によって,とくにLPFの場合,C1,C2によるQ 調整を必ずしも必要とされなくなるのでC1,C2に同じ部品を使って 生産コストの低減や,温度ドリフトを近づけることによるQ 変動の改善を工夫できるようになります.

あと,このフィルタの定数設定の注意点として,高G あるいは高Qを求める場合,分母のs1項がRCパラメータと比較して小さな値となり 僅かな,各定数の誤差等の変動によっても Qの値が非常に大きく変化することがあります.もともと大きなQを狙っている場合さらに Q大の方向に変動した場合,発振等起こる場合もありますので充分な理論上のマージンを持たせることが重要です.

またさらに,本ツールにおいて高いQ を設定する場合,(とくに)R1,R2のE系列のラインアップの中に(理論上)最適値を見いだせない 場合もありますので,ツール使用の注意点として知っておいてください.


[記事URL] http://okawa-denshi.jp/blog/?th=2008041500
カテゴリー:フィルタ(20)