20080418
多重帰還型LPF,HPF・ツールのバグ(対策済)
1.多重帰還型LPF −カットオフ周波数からCR定数の選定と伝達関数−のツールにおいて
- f=0Hzにおける利得の大きさ(スカラー)が大きく(K=-10〜),さらにζ が小さい(Qが大きい)条件を与えると,
R1,R2,R3が0Ωと誤って算出される不具合がありました.
各抵抗の算出過程で最初にC1,C2を算出していますが,このC1,C2の算出方法に間違いがありました.
このツールでは,最初に算出したC1,C2を使ってR1〜R3の算出(補正)を行っていたため最終的には,正常な値が算出されることが多かったことが特徴です.
仮に,C1,C2の算出された値が,本ツールの入力フォームにも記載されている次の条件
(C2/C1)≦ζ 2/(1-K)
に適合していた場合,C1,C2およびR1〜R3の結果は正しい値が算出されていました. 逆にこの条件に適合しない場合,R1〜R3は虚数を含み物理解を持つことができず,その場合本ツールでは0Ωと表記されていました. 言いかえればこの不具合によって,見た目には良さそうでも間違っているといった中途半端な値が算出されなかかったことは不幸中の幸い?だったのかもしれません.
2.多重帰還型HPF −カットオフ周波数からCR定数の選定と伝達関数−のツールにおいて
- カットオフ周波数およびゲイン(f=∞Hzにおける利得)等から,R1,R2,C1〜C3を算出するツールに不具合がありました.
C1〜C3を設定した状態で本ツールをご利用いただいた場合に,R1,R2の算出結果に間違いがありました.ただしC1〜C3を設定しない状態での算出結果には,問題ありません.
f=∞Hzにおける利得Kは,次式の通りです.
K=-C1/C3
本来,C1,C3を設定した場合,K設定が無視されるべきところ,間違って計算過程でK設定を参照していたところがあり R1,R2が誤って算出されました.
さきほどの件と反対でこの不具合は,見た目には良さそうでも間違っているといった中途半端な値が算出されていました. グラフ等は,間違ったR1,R2を反映しての結果でしたので,極端に間違っていた場合には,特性の異常から発見できたかもしれません. いずれにしても対策前の算出結果をご利用いただいている場合には,恐れ入りますがぜひご確認いただきますようお願いいたします.
[記事URL] http://okawa-denshi.jp/blog/?th=2008041800
カテゴリー:バグ情報・訂正(7)
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