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20080808

コンパレータのヒステリシスの計算式

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コンパレータヒステリシス計算ツールについてユーザーの方からの質問です.

【20080804】質問
コンパレータのヒスの計算式を教えてください.

コンパレータは,大きく分けてオープン・コレクタ(ドレイン)出力とプッシュ・プル出力の2種類があります.

オープン・コレクタ プッシュ・プル
コンパレータ出力部の回路

前者オープン・コレクタ出力のタイプは,Loを出力するときSW_Lがオンになり低インピーダンスでLo電圧を出力します. Hi出力のときにはSW_Lがオフになり,ハイ・インピーダンス状態での出力になります. そのため出力電圧がコンパレータの出力回路側の要因では定まらず,外部回路によって決まります.

続いて後者プッシュ・プル出力は,Lo時SW_LがオンSW_Hがオフ,Hi時SW_LがオフSW_Hがオンとなり,いずれの出力も低インピーダンス になり,コンパレータの出力回路によって出力電圧が定まります.

このようにコンパレータ出力部の回路が異なりますので,両者の計算式は若干異なります.


コンパレータ・ヒステリシス回路

ヒステリシス特性

オープン・コレクタ
まず,出力がHiの状態のときから求めていきます.
out端はSW_Lがオフの状態ですので,コンパレータ(+)端子電圧はR1,R2の分圧によって求められます.

   ---(1)

つづいて,出力がLoの状態のとき,すなわちSW_Lがオンの状態です.このときのコンパレータ出力電圧をVoとします. テブナンの定理を使って, 上で求めた式(1)の状態(コンパレータ出力Hi)から,電源VoとR3の系を接続していきます.イメージとしては,下図のようです



ただし,パラメータ名は異なっているので注意してください.上図で言うR1はここでは,R1//R2です.これを求めると

   ---(2)

式(1)(2)からV1は,

   ---(3)

VoにはVout(Low)が代入されます.
プッシュ・プル
続いてプッシュ・プルは,Hi出力,Lo出力ともにout端子のインピーダンスが低くく,出力電圧をVoと置いた系では,実質的に オープン・コレクタ回路のLo時と同様です.そのため,V1,V2の電圧は(3)の計算式によって得られます.

Hi出力時には,Vo=Vout(Hi)
Lo出力時には,Vo=Vout(Lo)

としてください.


[記事URL] http://okawa-denshi.jp/blog/?th=2008080800
カテゴリー:コンパレータヒスツール(2)