OKAWA Electric Design

共振型ゲート駆動回路の電力低減とゲート電流制御に関する研究

■背景

数キロ・ワットを越えるような高電力技術を搭載した製品が身近に多く見られるようになりました.こうした需要の増加は,小型化,低損失化へのニーズを生んでいます.たとえば,IGBT等大型スイッチング素子の小型化においては,ワン・モジュール化による高密度実装の方向性が実現されています.

たとえば三菱電機社製IPMのPM600DSA060の場合,パワーチップとゲート駆動部のワン・モジュール化だけでなく,過熱,過電流等の保護機能を備え機能面の向上によっても電力回路の簡素化を実現可能にしています.このIPMの駆動にあたっては,外部から+15V±10%の安定化した電源を必要とします.この電源に要求される電力は最大でおよそ1〜3ワットです.数十キロ・ワットのスイッチング電力に対してこの駆動電力は,とても小さなものです.

しかし,この駆動電源の占める容積はIPM容積に対して比較した場合,一般に小さくありません.こうしたゲート電源についても,IPMの小型化を促進する上でワン・モジュール化へ統合されていく流れは不自然ではありません.