極と零点2
極について先に述べました(伝達関数においてゲイン∞の点).つづいて,極と対峙する零点について解説をします.まず,図2-3-18に例示する回路について周波数特性を考えてみましょう.
R(s) → | → C(s) |
図2-3-18 回路例2
まず,伝達関数を求めると, (伝達関数の求め方はこちらを参照)
式2-3-24 |
より,伝達関数は(途中計算はこちら参照)
式2-3-25 |
式2-3-21の伝達関数をフーリエ変換して周波数関数を求めると(伝達関数のフーリエ変換はこちらを参照)
式2-3-26 |
これをBode線図に示すと
図2-3-19 Bode線図
条件:
R=1[Ω]
L=100[μH]
C=1[μF]
R=1[Ω]
L=100[μH]
C=1[μF]
上図Bode線図は,ω=105[rad/sec]にバンドリジェクトの特徴を示しています.このセクションで例示している回路は,受動部品で構成するノッチフィルタ回路です.
このフィルタのリジェクトピーク周波数は,式2-3-25の分子が0になる点(伝達関数ゲインは0倍(−∞[dB]))となります.ノッチフィルタのピークとなる角周波数は
式2-3-27 |
この回路例のように,ある周波数において伝達関数が0のゲインをもつ点を制御工学の分野では零点といいます.