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伝達関数2

入出力のある伝達回路について伝達関数を実際に導いてみましょう.例題として図2-3-11のCRフィルタ回路を使います.


図2-3-11 伝達回路例(CRフィルタ)

図2-3-11のr(t)は入力電圧関数,c(t)は出力電圧関数とします.

まず,伝達関数を定義に基づいて求めてみましょう.伝達関数は伝達回路の単位インパルス(単位インパルスδ(t)はこちらを参照)応答関数なので,図2-3-11における入力関数r(t)は

  r(t)(t)
  R(s)=1

式2-3-8

とします.また伝達回路の出力関数c(t)は,単位インパルス応答関数g(t)とします.

  c(t)=g(t)
  C(s)=G(s)

式2-3-9

c(t)とr(t)の関係は,

   式2-3-10

式2-3-10をラプラス変換すると

   式2-3-11

上式に式2-3-8,式2-3-9を反映してG(s)について解くと(計算過程はこちら

   式2-3-12

と伝達関数が得られます.


上記の伝達関数は定義に基づいて導き出しています.しかし,別解として式2-3-11から直接,式2-3-13のように入出力の比として導出する方法があり,こちらの方がポピュラーかもしれません.

   式2-3-13

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