磁気回路2
図1-5-30はトロイダルコアに巻き線を施したコイルの磁気回路のモデルです.このコイルのコアは均一な透磁率μの磁性体により形成され,環状の途中に厚さd[m]の間隙をもちます.間隙の厚さdはlおよびSの大きさに比べて充分小さいモデルであるものとします.
このような磁気回路の磁気抵抗は,磁性体部分と間隙部分をそれぞれの磁気抵抗の直列接続と考えます.
磁位差および磁気抵抗は上式のようになりますので磁束は
のように求めることができます.さらに自己インダクタンスは単位電流あたりのコイルの鎖交数なので,上式をNΦ=LI に代入して
のように求めることができます.ただし,上式は漏れ磁束などの影響を無視していますのでdが充分小さい場合に限った近似式になります.
【意見】2009/02/03
式の度に記号の説明をつけているところが分りやすい
大抵の学術書は最初に記号の説明をするだけで、後の式で記号の意味を調べるために大分前に戻らなくてはならないことも多く難儀していました。