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実効値2

正弦波交流の電力の解説

先述した正弦波交流の電力について計算方法を解説します.図1-3-3 に示した回路例の電圧,電流は次のようになります.

p(t)=v(t)i(t) より

上記より

   

   

つぎに,正弦波以外の周期性のある交流の実効値を求める方法を解説します.まず,電圧源または電流源を想定して実効値を求めますが,リアルワールドでの実効値変換についても電圧源,電流源に仮定することで

次の方法で計算することができます.

最初に電圧源または電流源を図1-3-5 のように負荷に1 Ωの抵抗を接続した系を想定します.そのときの電圧,電流の関係はi(t)=v(t) です.よって電力p(t) はp(t)=v(t)2 またはp(t)=i(t)2 となります.ここから電源が1周期T に行う仕事ΔE を求めます.

   

ここから電力P を求めます.P は単位時間あたりの仕事なので,1周期T あたりの仕事ΔE として平均化(直線近似)してP を近似します.

   

となります.交流電源の実効電圧,実効電流をVRMS,IRMS とすると,図1-3-5 においてP=VRMS2P=IRMS2 となるので

   
   

となります.よって複雑な電圧電流波形の実効値を求めるには,電圧なり電流の瞬時値を2乗した波形の1周期分の面積を求めます.その値を周期T で割り,その値の平方根が実効値となります.現在,表計算ソフトなどの普及で瞬時波形の取り込みさえできれば,前記の手順で簡単に実効値を求めることができます.

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