電位
電流は電荷が電気力を受け移動することによって生じます.このような電気力が作用する空間を電界といいます.電界中を移動する電荷は電気的(電界中の力学的)位置エネルギーが高いポジションから低いポジションへ移動したことになります.
このような電界中の位置エネルギーを示す場合,単位電荷(1) あたりの位置エネルギーを使います.単位電荷あたりの位置エネルギーは電位といいます.単位はボルト[V] を使用します.また,ある電位と別の電位の差を電位差または電圧といいます.
図1-1-8 のような一様な電界Eがあったとき,電荷Q のもつ位置エネルギーを求めます.このとき電荷Q に働く力は一様な電界中いずれの場所でも式1-1-9の関係があります.
F =QE | 式1-1-9 |
電荷の受ける力:F[N] 電荷:Q[C] 電界の強さ:E[N/C] |
よってa点における電荷Q のもつ位置エネルギーは式1-1-10 のようになります.ただし距離0[m] における位置エネルギーは0[J] とします.
式1-1-10 |
電荷の受ける力:F[N] 電荷:Q[C] 電界の強さ:E[N/C] |
a 点における電位(単位電荷あたりの位置エネルギー)Va およびb 点の電位Vbは式1-1-10 より次のように求められます.また,電位差Vba はa 点の電位とb点の電位との差なので式1-1-11 のようになります.
均一電界中では電界E は定数になります.そのため電位と距離の関係は図1-1-8のように比例関係になります.このとき電位Va からVb まで電荷Q を運ぶときの仕事(エネルギー)EPb-a は次のようになります.
式1-1-12 |
電荷QをVba運ぶ仕事EPb-a[J] 電荷の受ける力:F[N] 電荷:Q[C] 電界の強さ:E[N/C] 距離:a[m] 距離:b[m] |
つぎにエネルギーEPb-a を電圧,電荷の関係を求めます.式1-1-11 および式1-1-12 より微分方程式を解くと式1-1-13 のようになります.
式1-1-13 | 電荷QをVba運ぶ仕事EPb-a[J] 電荷:Q[C] 電位:Va[V] 電位:Vb[V] |