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フーリエ変換の意義

先にラプラス変換について説明してきましたが,理論的な基礎や背景についてはフーリエ変換から入っていく方が一般的かもしれません.ラプラス変換のセクションではラプラス変換を利用して過渡現象を解くことに主眼をおきました.ラプラス変換により微分方程式が,意外と簡単に?解くことができると実感できたのではないかと思います.

フーリエ変換の目的は,時間t の領域における問題を周波数f(角周波数ω)の領域におきかえることです.フーリエ変換によって時間関数における振動の定量的な解析が可能になります.たとえば過渡電流などのをフーリエ変換を使って解析すると振動を構成している周波数やその周波数成分の比率を知ることができます.

このセクションでは純粋な数学としてのフーリエを考えていきます.フーリエの技術はラプラス変換の理論的な背景にもちょっとだけ触れることにもなります.フーリエの理論から応用拡張してラプラス変換についても理解が促進するのではないかと思います.

電子回路設計において周波数関数を得ることはとても重要です.フィルタなど直接周波数特性を設計する回路に利用されたり,フィードバック回路などの位相補償設計,位相余裕の設定などに利用されます.

また,計測において電子回路エンジニアにとってなじみの深いものがあります.それはFFT(Fast Fourier Transfer)です.FFT によって変換される波形は,時間軸の波形を取り込み周波数軸の信号に変換する測定器です.エンジニアの方は日常よく使っている測定器の一つです.