CR回路の過渡
図2-1-1 はコンデンサと抵抗からなる回路で,過渡計算の例題として示したものです.この回路でコンデンサに充電される電流について求めてみます.
この回路では,t=0[s] の時にSW がoff 状態からonになるものとします.また,t=0[s] におけるコンデンサC に充電されている電荷は0[C] とします.
よって,t=0[s],SW on の瞬間には,回路に流れる電流はとなります.その後時間経過とともにコンデンサに徐々に電荷が充電されていき,これによって電流i が次第に小さくなります.最終的には,0[A] に近づいていく過渡現象が予測できます.そこで,この回路の過渡電流をi として時間t の関係を数学的に解いてみましょう.
各部品の電圧,電流の関係は下記の通りです
この回路ではV=vR+vC の関係があるのでこれに代入すると次のようになります.
この微分方程式をなんとか解いてみましょう.まず両辺をt で微分します.すると
式2-1-3 をさらに両辺をt で積分すると
と導くことができましたが,式中のA は積分定数で未知数ですのでこの値について求めます.t=0 における電流はは既知なのでこれを代入して
となりますので電流i は次のように求めることができました.