インダクタンスの合成
複数のコイルによって構成される回路があるとき,任意の2点からその回路をみると一本のコイルとして等価的に扱うことができます.その等価コイルのインダクタンスは合成インダクタンスと呼ばれます.
図1-5-23 は定電圧電源に複数のコイルを並列に接続した回路図です.この系の合成インダクタンスをLA[H] としたとき,回路を構成するコイルとの関係を求めます.図1-5-23 の系ではL1 〜 LN のコイルすべてに電源電圧V が与えられます.そのため回路を構成するx 番目のコイルをLx とすると,Lx に流れる電流ix はつぎのようになります.
つぎに合成インダクタンスに流れる電流は各コイルに流れる電流の和なので
両辺をで割ると
コイルの並列接続における合成インダクタンスは式1-5-63 のようになります.
図1-5-24 は時間的に電流変化がある電源に複数のコイルを直列に接続した回路図です.
この系の合成インダクタンスをLA[H] としたとき,回路を構成するコイルL1 〜LN との関係を求めます.この系は直列に接続されているためL1 〜 LN のコイルすべてに同じ値の電流が流れるます.そのため,電流変化についてもすべてのコイルに同じ値で与えられることになります.
そのためこの回路を構成するx 番目のコイルをLx とすると,Lx にかかる電圧Vx はつぎのようになります.
つぎに合成インダクタンスにかかる電圧V は各コイル電圧の和なので
両辺をで割ると
コイルの直列接続による合成インダクタンスは式1-5-65 のようになります.